🦷「八重歯はかわいい」って本当?― 美意識と健康のバランスを考える
「八重歯がチャームポイントなんです」
「アイドルみたいで可愛いって言われるんです」
——そんな声、よく耳にしますよね。
確かに、“八重歯=かわいい”という文化的なイメージは、日本を中心に根強く存在しています。
でも、その裏で、矯正歯科の現場では“八重歯=要治療”とされるケースも少なくありません。
では、本当のところどうなのでしょうか?
“可愛さ”と“健康”、どちらも大切にしたいあなたへ。今日はそのバランスについてお話しします。
💬 八重歯が「かわいい」とされてきた理由
日本では長らく、八重歯は「愛嬌」「無邪気さ」「個性」として好まれる傾向がありました。
- 10代のアイドルに多かったことで“可愛い印象”が定着
- 自然体な笑顔や少し幼さを感じさせる歯並びとして人気
- 「整いすぎていない方が親しみやすい」という心理
しかし、これはあくまで文化的・感情的な価値観。
見た目として魅力的に映る一方で、機能的にはリスクも伴います。
🦷 医療の視点から見た「八重歯」の問題点
八重歯とは、主に犬歯(糸切り歯)が歯列から外れて生える状態のこと。
歯が正しい位置に収まりきらず、重なったり飛び出たりすることで、次のような問題を引き起こす可能性があります:
- 歯みがきがしにくく、虫歯・歯周病のリスクが高い
- 噛み合わせが悪く、顎関節に負担がかかる
- 口元が閉じづらくなり、口呼吸の原因にも
- 成長期のあごの発達バランスが崩れる場合も
📌 特に「見た目は気にならないから放置していたけど、20代後半から歯ぐきが下がってきた」などの例も多数あります。
🔄 “かわいい”と“治すべき”のちょうどいい距離感
矯正治療=八重歯を完全に消す、というわけではありません。
現在は「整えながら、自然な個性を残す」矯正も可能です。
- 全体の噛み合わせを整えつつ、歯並びを“美しくコントロール”
- 無理に抜歯せず、あごのスペースを広げて八重歯を内側へ誘導
- インビザライン(マウスピース矯正)で、目立たずに調整も可能
📌「可愛さは残したいけど、将来のリスクは避けたい」そんな人こそ、一度矯正相談を受けてみる価値があります。
💬 おわりに:「その八重歯、本当に今のままでいい?」
見た目の好みは人それぞれ。
でも、今“かわいい”と思っている八重歯が、将来の悩みになるかもしれない。
大切なのは、「可愛さ」か「健康」かの二択ではなく、
“どちらも守るために、知っておく”という選択です。
あなたの八重歯が、この先もあなたの味方であり続けられるように。
そのための一歩として、ぜひ一度、歯科でチェックしてみてください。