「歳をとっても自分の歯で食べたい」そう願う方は多いですが、実はそれ以上に大切なのが“歯と脳の関係”です。
近年の研究では、歯を失うと認知症のリスクが高まる可能性があることが分かってきました。
今回は、歯の本数・噛む力と脳機能の関係、そして高齢期にこそ必要な口腔ケアについて、やさしく解説します。
🧠 歯の本数と認知症リスクの関係
- 厚生労働省や各大学の研究により、残存歯数が少ない人は認知症発症率が高い傾向が判明
- 20本未満の方は、20本以上ある方に比べて認知機能の低下リスクが2倍以上という報告も
🦷 歯を「噛む道具」だけと思っていると、大切な機能を見落とします。
🧓 噛む力が脳に与える影響とは?
- 咀嚼は脳の血流を促進し、前頭葉や海馬(記憶を司る部分)を刺激
- 柔らかい物ばかり食べていると、脳への刺激が不足し、“使わない脳は衰える”状態に
- 義歯の不具合や噛み合わせの悪さも、知らぬ間に認知機能低下の引き金に
🍙 よく噛んで食べるだけで、実は“脳トレ”になっているのです。
📆 今からできる口腔ケア × 認知症予防
- 歯を失っても「噛める状態」に保つ
→ 合わない入れ歯を放置しない。調整&再製作も検討を。 - 定期的な歯科健診(3〜6ヶ月に1回)
→ 目立った痛みがなくても、プロのチェックは必須。 - バランスの取れた食事で“噛む回数”を増やす
→ 繊維質の野菜・ナッツ・玄米などを意識して取り入れる。 - 毎日声を出して会話する習慣を
→ 噛む・話す・笑う=すべてが口腔筋と脳のトレーニング。
✅ 歯を守ることは、「脳」も「人生の質」も守ることにつながります。
🩺 歯科医からのメッセージ
「年をとったら歯がなくなるのは仕方ない」とあきらめていませんか?
けれど今は、80歳で20本以上の歯を保つ“8020運動”も当たり前の時代です。
大切なのは、“噛む力”を維持し続けること。
それは決して若い頃だけの努力ではなく、今からでも間に合う健康習慣なのです。
🔚 まとめ
歯は命を守る入り口であり、脳を守るスイッチでもあります。
もしご自身やご家族の中に「最近、噛みにくそう」「会話が減った」そんな兆しがあれば——
ぜひ一度、歯科医院でチェックを受けてみてください。
今日の行動が、10年後の笑顔と記憶を守ります。